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スライドの図解化は"センス"じゃなく"型"|デザイナーが使う3ステップと7つのルール

結論から言うと、スライドの図解化はセンスではなく「型」で身につくスキルです。 「並列・優劣・順番」という3つの図解パターンと、3ステップの作成手順、そして7つの基本ルールを押さえれば、デザイン未経験の方でも"ぱっと見て伝わる"資料がつくれます。

「自分にはデザインセンスがないから図解は無理」と感じている方は多いですが、実はプロのデザイナーも同じ型を使って図解をつくっています。違うのは、その型を知っているかどうかだけです。

本記事では、文字だらけになりがちな資料を視覚的に伝わる図解に変えるための具体的なメソッドを、デザイナー視点で体系的に解説します。

図解化とは?なぜ資料に必要なのか

Q. そもそも図解化とは何ですか?

A. 図解化とは、文字・情報・データを「整理」し、図形などを用いて視覚的に表現することです。 さらにイラスト・アイコン・写真などのグラフィック要素を強くしたものを「インフォグラフィック」と呼びます。

ポイントは「整理」が前提にあること。図解化は単にイラストを添えることではなく、情報の構造そのものを再設計する行為です。

図解を取り入れる3つのメリット

メリット

効果

① 一目で伝わる

説明不要で内容が理解される

② 理解度が格段に上がる

人間の知覚の83%は視覚情報。文字より圧倒的に速く・深く伝わる

③ プレゼンの質が上がる

説明がしやすくなり、成果につながる

特に注目すべきは「視覚83% : 聴覚11%」という人間の知覚比率です。資料を見たお客様や受講者は、話を聞く前にまず「見て」判断しています。

そして現代のお客様は基本的に忙しく、人のことに関心がなく、難しそうな情報は読まないという前提があります。だからこそ、文字をびっしり並べた資料ではなく、「ぱっと見てわかる」状態にしておくことが、伝わる資料の絶対条件になるのです。

図解化は「3ステップ」で誰でもできる

図解化が難しく感じる最大の理由は、「いきなり形から作ろうとする」ことにあります。順番を守れば、誰でも論理的に図解をつくれます。

図解化の大前提:1図解=1テーマ

1つの図解には1つのメッセージしか入れない。これが鉄則です。

ステップ1|情報の整理&観察

最初に行うのは、伝えたい情報を客観的に見て、要素同士の関係を観察することです。具体的には、こう問いかけます。

  • この情報は並列か?(横並びの関係か?)

  • 内容に優劣(大小・上下)はあるか?

  • 順番はあるか?(流れ・プロセスの説明か?)

例えば「資料作りの3つのコツ:フォント・色・レイアウト」という情報なら、3要素は対等な関係なので「並列」と判断します。この見極めが、次のステップで使う図形を決めます。

ステップ2|図解表現を決める

情報の関係性が分かったら、それに合う図解表現を選びます。

  • 並列 → 横並びに配置する

  • 優劣 → 大きさや階層で表現する

  • 順番 → 矢印で流れを示す

ここで重要なのは、情報の構造と図形の構造を一致させることです。並列の情報を矢印でつないでしまうと「順番がある」という誤った印象を与えてしまいます。

ステップ3|形にする

最後に、選んだ表現を具体的な図形に落とし込みます。並列なら「四角で囲って横に3つ並べる」、優劣なら「大きさを変えた円を重ねる」、順番なら「矢印でつなぐ」──このとき、複雑な図形は不要です。シンプルな四角・丸・矢印の3種類で、ほとんどの図解は表現できます

まず覚えるべき「3つの図解パターン」

スライド資料で使う図解は、突き詰めると以下の3パターンに集約されます。この3つさえ押さえれば、ほとんどの場面に対応できます。

パターン

表現方法

使用シーン例

並列型

同じ図形を、同じ大きさで、繰り返し並べる

SWOT分析、3C分析、サービスの3つの特徴

優劣型

同じ図形を、大きさを変えて並べる

組織図、地域階層(東京→関東→日本)、料金プラン階層

順番型

左→右、上→下に矢印を並べる

サービス提供フロー、ステップ解説、時系列

並列型|同じ図形を同じ大きさで並べる

要素が対等な関係にあるときに使います。例えば3C分析(Customer・Company・Competitor)のように、どれか1つが上位というわけではない情報を見せるときに最適です。

コツは「同じ図形・同じ大きさ・繰り返し」。サイズや形を変えてしまうと、見る人は無意識に「何か違いがあるのかな?」と読み取ろうとしてしまい、メッセージがブレます。

優劣型|同じ図形を大きさを変えて並べる

階層関係や大小関係を示すときに使います。「本社→支社A・支社B・支社C」や「ベーシック→アドバンス→プロ」のような構造を表現する場面で活躍します。

ここでも図形そのものは統一し、大きさだけで差を表現するのがポイントです。

順番型|矢印で流れを示す

プロセスや時系列を示すパターンです。「Step1:初回相談 → Step2:ヒアリング → Step3:提案 → Step4:契約」のような流れを伝える場面で使います。

矢印は左→右、または上→下の方向に統一すること。途中で向きが変わると、視線が迷子になります。

図解センスを上げる「7ヶ条」

3ステップと3パターンを押さえたら、次は仕上がりの質を左右する基本ルールです。プロのデザイナーが無意識にやっていることを、7つに言語化しました。

  1. シンプルな図形でOK ── 四角・丸・三角の3種類で十分

  2. 枠線をつけない(枠線に色をつけない) ── 塗りだけで表現するほうがすっきり見える

  3. 矢印は三角で代用する ── ブロック矢印は主張が強すぎる

  4. 色を多用しない ── 基本は2色まで

  5. 文字は少なく ── 文章ではなく、箇条書きや単語のみで

  6. 形を歪ませない(特に丸!) ── 比率を変えると一気に素人っぽくなる

  7. 位置を揃える ── 図形の上端・左端を揃えるだけで見栄えが激変

特に「2. 枠線をつけない」「6. 形を歪ませない」は、知らないうちに資料の質を下げてしまう典型的なポイントです。枠線で囲うクセがある方、図形を自由に拡大縮小しているクセがある方は、ここを意識するだけで仕上がりが変わります。

【実例】サービス内容を図解化する3パターン

実際に「自社のサービス内容」を図解化する場合の典型パターンを紹介します。状況に応じて使い分けてください。

パターン1|一つの事業を「分解」して説明する(ツリー図)

メイン事業の下に、サブメニューやサービス内容をぶら下げる構造です。「資料デザイン関連事業」の下に「制作サービス」「サブスク型サービス」「セミナー講座」が並ぶような形。

こんなときに使う:事業の全体像と内訳を整理して見せたいとき

パターン2|事業の「全体像・特徴・強み」を説明する(ベン図/サテライト型)

複数の強みが重なり合う領域として中核事業を表現したり、中心テーマの周りに特徴をサテライト状に配置する形です。

こんなときに使う:複数の要素が交差する独自の強みを表現したいとき

パターン3|「複数ある事業・役割」を説明する(並列/マトリクス)

複数の事業を対等に並べて表示するパターン。「デザイン事業・教育事業・NPO運営」のように、独立した事業を一覧で見せます。

こんなときに使う:複数事業を運営している会社で、それぞれを並列で紹介したいとき

よくある質問(FAQ)

Q. デザインスキルがなくても図解化はできますか?

A. はい、できます。図解化に必要なのは複雑な図形やフォーマットを使いこなす技術ではなく、情報をいかに簡潔に表現できるかという思考力です。本記事で紹介した3ステップと3パターンを順番通りに踏めば、デザイン未経験でも形になります。

Q. PowerPointやKeynoteで十分ですか?

A. 十分です。本記事で紹介している図解は、すべてPowerPointやKeynoteの標準機能で作れます。Illustratorのような専門ソフトは必要ありません。

Q. 1枚のスライドに図解はいくつまで入れていいですか?

A. 1枚=1図解=1テーマが原則です。複数の図解を詰め込むと、結局「ぱっと見て伝わる」という図解化の本来の目的が失われます。情報量が多い場合は、スライドを分けるのが正解です。

Q. 図解化で一番大事なポイントは?

A. 情報の構造と図形の構造を一致させることです。並列の情報には並列の図形、順番のある情報には矢印を使う。この対応関係さえ守れば、図解は自然に伝わります。

まとめ|図解化は「シンプルに表現する力」

最後にもう一度、本記事のメソッドを整理します。

  • 3ステップ:①情報の整理&観察 → ②図解表現を決める → ③形にする

  • 3パターン:並列型・優劣型・順番型

  • 7ヶ条:シンプルな図形/枠線なし/三角矢印/2色まで/文字少なく/歪ませない/位置を揃える

図解化に必要なのは、特別なデザインセンスではなく、情報の関係性を見極める力シンプルな図形を使いこなすルールです。

資料は「読ませる」ものから「見せて伝える」ものへ。今日のスライド1枚から、ぜひこの3ステップを試してみてください。文字だらけの資料が、驚くほどシャープに変わります。

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